
いつもの気持ちの良い水戸芸術館の広場。
広場の正面、水の上に吊り下げられた岩のあたりから霧が湧き出てきた。
その霧と水の中にスーッと田中泯が吸い込まれるように入っていき、踊り始めた。
霧は濃く、観客の方にどんどん低く流れて田中泯の姿はぼんやり影のようにしか
見えなかったり、全く見えなかったり、突然姿を現したり。
水戸芸は街の真ん中にあるのに、霧の冷気に包まれたとたん
そこが深い森の中とか北の原野の中で、ポツンと立っている一匹の
獣になったような気持ちになるのが不思議だ。
田中泯もそんな一匹のいきもののように踊る。



そして頭上のテラスからはバイオリンの、不安を抱かせるような音色が
濃く降り注いできた。
この音〜、すごく心魅かれた。

このパフォーマンス、今水戸芸術館で開催中の「中谷芙二子 霧の抵抗」の
関連企画で、昨日今日と行われました。