
図書館で何となく手にした一冊、「ヤノマミ」。
読み終えて、ザワザワするこの気持ちはなんだろう?
NHKのドキュメンタリーを撮るために、アマゾンの奥地、
ブラジルとベネズエラの国境付近でいまだ原初の暮しを続ける
ヤノマミの人々と共に暮らした150日がつづられていた。
森の中から、闇の中から、「アハフー、アハフー」という彼らの
笑い声が響く。
風習も価値観も全く違うことは覚悟していたはずなのに、
はるかに深い闇にとまどい、つまづく心。
少しずつ覚えた言葉で彼らを知り、離れた日にはなつかしみを
感じる。
けれどだんだん疲弊してゆく心と身体。
淡々と語られる言葉には、今の日本での暮しや価値観との比較はない。
見たままのヤノマミが語られている。
だからこそ、どこかが壊れていく著者に自分が重なってゆく。
もう何年も前に放映されたはずの、このドキュメンタリーを
見てみたいような、見たくないような。