あるところに、飛ぶのが上手なニワトリがいました。
その日はいつもよりグンと羽に力が入り、
気がつくとヤシの木が一本生えた小さな惑星に降り立っていました。
あたりには誰もいる気配はありません。
『おいら淋しいなー。』
そんなヤシの木惑星に降り立ったもう一匹がおりました。
跳躍自慢のオオカミです。
『ずいぶん遠くまで来ちまったなー。
腹がぺこぺこだい。
おまけに話し相手もいなくって淋しいぜぃ。』
そんな二匹がばったり顔を合わせたのがヤシの木の下でした。
『うまそうなヤツ見っけ!』
オオカミは跳びかかろうとしました。
ニワトリはおおあわて。
『待って、待って。
おいらを食べちゃったら、キミはひとりぼっちで
話し相手もいなくなっちゃうよ。』
『それもそうだな。ヤシの木惑星でひちりぽっちは
イヤだな。』と、オオカミ。
二匹はヤシの実を食べながら、なかよく暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。